サイト移設のお知らせ

本ホスティングサービスは、2012年5月24日に終了することになりました。それに伴い、以下の目次の文書を下記のサイトに移行しました。

====== Supportdoc.net ======

今後ともどうぞよろしく御願い申し上げます。

「はじめてのLaTeX」著者サポートページ

工学社刊「はじめてのLaTeX」の著者によるサポートページです。 清水 美樹

お詫び

本書において、「環境変数の設定」等、動作環境構築についての説明がいたく不十分にて、多くの方から御指摘と御質問をいただきました。
遅ればせながら本ページに詳しい解説をさしあげましたので、御参考になれば幸いです。


補足:リスト5-1-9からリスト5-1-10への書き換え方法について

本書99ページのLatex文書、リスト5-1-9をリスト5-1-10へ書き換える場合の説明が不十分でしたので、ここに補足させていただきます。

リスト5-1-9のすぐあとの説明で、
「2つ付く」ということは「1行に数式が2つ」 ということです
というところは、
「l, c, rのいずれかの文字が2つ付く」
ということは「1行に数式が2つ」ということです
と説明すべきでした。

それぞれの数式に割り当てる記号は、lなら左揃え、cなら中央揃え、rなら右揃えになります。
ゆえに、それぞれのサンプルは下表のように配置を指示したことになります。

サンプル表記意味
リスト5-1-9{ll}1番目と2番目の数式がともに左揃え
リスト5-1-10{cl} 1番目の数式が中央揃えで、2番目の数式が左揃え

もし、表記が{cc}なら、1番目と2番目の数式がともに中央揃えという指示になります。
もし、表記が{cll}なら、中央、左、左という意味になりますから、数式が3つあって、1番目が中央揃え、あとの2つが左揃え、と指示したことになります。

WindowsXPでの環境変数の設定(本書p27,p32など)

WindowsXPでの環境変数の設定法を確認しておきましょう。

環境変数を設定するウィンドウの出し方には二通りあります。
ひとつは「コントロールパネル」から「パフォーマンスとメンテナンス」さらに「システム」と開いていく方法です。



スタートメニューから「コントロールパネル」を選ぶ


「コントロールパネル」で「パフォーマンスとメンテナンス」


さらに「システム」

もうひとつの方法は、「マイコンピュータ」を右クリックして「プロパティ」を選ぶ方法です。一足飛びですね。



「マイコンピュータ」の「プロパティ」

どちらの方法でも、「システムのプロパティ」というウィンドウが出ます。ここで「詳細」タブをクリックして、さらに下のほうにある「環境変数」ボタンをクリックします。



「詳細」>「環境変数」をクリック

すると「...のユーザー環境変数」および「システム環境変数」という設定欄のあるウィンドウが出てきます。
わたしたちが設定する場合、「ユーザー環境変数」をいじったほうが、どちらかというと無難です。
ですから「ユーザー環境変数」の欄を見てください。「PATH」という名前の変数が設定されているでしょうか?
たまに、インストールしたアプリケーションによって自動で設定がなされている場合もあります。
上の図では、筆者が以前に自分で設定したので、すでにあります。この図には「MiKTex...」などと書いてありますが、中身は気にしないでください。ただ、このようにすでにある場合は、その「PATH」をクリックして選んでから「編集」ボタンをクリックします。 なければ(ない場合のほうが多いでしょう)「新規」ボタンをクリックします。



「PATH」がまだなければ「新規」を、すでにあれば「編集」をクリック

ボタンは上のほうと下のほうに二つあるので気をつけてください。「...のユーザー環境変数」と書かれている、上の方です。

変数名は「PATH」、必要な変数値を「;」で区切って入れる

新規作成画面の場合は、上の欄「変数名」に「PATH」と入れます。
それから、下の欄「変数値」に、たとえば以下のように必要な変数値を入れます。

C:\w32tex\bin;C:\gs\gs8.54\bin;C:\dviout

それぞれのアプリケーションに必要な実行ファイルが入っているフォルダを、指定します。
「C:\w32tex\bin」は、人によって「w32tex」フォルダのおき場所が違うかも知れません。他は、インストールをデフォルトどおりにやれば、上の通りになるはずです。
各変数値は「;(セミコロン)」で区切って入れます。
ですから、既に他に値が設定されている場合は、それらとも「;」で区切らなければなりません。その場合は「C:\dviout;(他の設定)」のように、最後にも「;」を入れます。
「OK」をクリックして、さらに「システムのプロパティ」ウィンドウでも忘れずに「OK」をクリックします。
設定したのは「ユーザの環境変数」ですから、一度ログオフしてからログインし直して、設定を反映させます。ログオフやログオンがよくわからない場合は、思い切って再起動してしまうテもあります。

ファイルのパスを入力するのは、なかなか面倒ですね。
いい方法があります。本書では22-23ページ図2.1.1のように「フォルダオプション」でファイルの表示法を設定していますが、上のほうにある「アドレスバーにファイルのパス名を表示する」という設定をオンにしてみましょう。



「アドレスバーにファイルのパス名を表示する」

こうしておいて、C:\w32tex\binなどのフォルダを、ファイルブラウザでグラフィカルに開きます。すると、「アドレス」欄に、そのフォルダの絶対パスが表示されますから、それをそっくりコピーペーストすれば楽ですね。



実際に開いてみて、パスをコピーする


補足:Vistaでのフォルダオプションと環境変数の設定(第1章p.22/p.27)

本書ではWindows XPでの実践について述べていますが、Windows Vistaでも実践できます。ただし、「フォルダオプション」や「環境変数」の設定ウィンドウの出し方がXPとVistaでは違っているので、あれっと思うかも知れません。いかに簡単にご紹介しましょう。

いずれも「コントロールパネル」から始めよう
両設定ウィンドウの出し方は実はいろいろあるのですが、「コントロールパネル」から始めるのが最もわかりやすいと思います。起動メニューから「コントロールパネル」を立ち上げます。



コントロールパネル

フォルダオプションの設定
Windows Vistaでのフォルダオプションの設定には、「コントロールパネル」ウィンドウから、「デスクトップのカスタマイズ」を選びます。
「フォルダオプション」なんて書いてないじゃないか、と思うかも知れませんが、そこに青文字で書かれた項目リストは「抜粋」です。「緑色の文字」をクリックしてください。



「デスクトップのカスタマイズ」の緑文字をクリック

これで「デスクトップのカスタマイズ」関係の項目が全部表示されます。その中に「フォルダオプション」がありますね。それをクリックすれば、あとはXPと同様の設定画面が出ます。



「デスクトップのカスタマイズ」関係一覧から、「フォルダオプション」をクリック

環境変数の設定 Windows Vistaでの環境変数の設定は、「コントロールパネル」画面から「システムとメンテナンス」を選びます。あるいは、上の「デスクトップのカスタマイズ」のような画面でも、左側のリストから「システムとメンテナンス」を選ぶこともできます。




システムとメンテナンス

「システムとメンテナンス」画面で、「システム」を選びます。



「システム」を選ぶ

すると現れるのは、もしかすると起動時に必ず現れているかも知れないあのウィンドウです。「最初っから言えヨ」ってゴメンナサイ。でもそういうときに限って、せっかく現れていたウィンドウを閉じた後だったりしませんか?



実はおなじみかもしれないこのウィンドウだった

このウィンドウの下のほうに「コンピュータ名、ドメインおよびワークグループの設定」という表示箇所があります。そこに「設定と変更」というリンクがあるのでクリックします。




「コンピュータ名」....の表示されているところで「設定と変更」をクリック

ちょっと長い道のりでしたが(その前に、続行には許可が必要ですなどという警告も出たりしてさらに面倒ですが)、これでXPにあるような設定画面が現れます。


補足:MiKTeXのインストールについて(第2章p.24)

[1]フォルダ「MiKTeX2.5pkg」をコンピュータの適当な場所にコピーします。(メディアから直接できるかも知れませんが...)と書きましたが、プレスされた本書CDを用いて著者が実験してみたところ、インストールできました。ただし、かなり遅いです。しばらくはプログレスバーが真っ白なまま、フォルダ間を白紙が舞い飛ぶアニメーションが呆然と続きます。しかし、そのあとプログレスバーは驀進してインストールが終わります。ハードディスクの容量が厳しいので数百メガもただソースフォルダをコピーするのが勿体無い、という人は試してみてもよいでしょう。

補足:MiKTeXの環境設定を消去する方法について(第2章pp.27-28,pp.32)

MiKTeXをインストールして一通り使ったので、W32TeX環境に変更したい...という場合、「システム環境変数」にガッツリ加えられている「MiKTeXの実行パス」設定を消去しておく必要があります。
それには、本書p27の図2.2.8で、システム環境変数欄の「Path」を選択して、すぐ下にある「編集」をクリックすればよいのですが、編集画面が狭い上に、重要なシステム設定が一緒に書かれていますから、間違ってもとからあるシステム設定を消してしまわないように十分注意しましょう。

C:\MiKTeX2.5\miktex\bin;

の、セミコロンまでを消去します。そのあとに「%」などという記号がある場合、それを消さないようにしましょう。




「%」などの記号は大事なので、消さないように注意!

必要な部分だけを消去したら「OK」をクリックして、「システムのプロパティ」画面も忘れずに「OK」をクリックします。


補足:Ghostscript-dvioutのインストールについて(第2章pp.34-36)

34ページでGhostscriptをインストールした後、その実行パス「c:\gs\gs8.54\bin」も、「ユーザー環境変数PATH」に加えておいたほうがよいと書くべきでしたが、失念してしまいました。申し訳ありません。 でも、これを行わなくても、「dviout for Windows」のインストーラは大変親切です。
36ページの図2-14-12(以後、「図...」は書籍中の図を指します)で「Automatic Search?」という質問に「はい」をクリックします。
すると、図2-13のように
Do you use the following: C:\gs\gs8.54\bin\gswin32c.exe?
というウィンドウが出ますが、この太字の部分が、別の場所(適当なところに解凍した「gs854w32full」フォルダなど)の「gswin32.exe」を選んでしまうかも知れません。
この場合落ち着いて「いいえ」をクリックします。
すると、次に「C:\gs\gs8.54\bin\gswin32c.exe」を選んでくれるでしょう。そうしたら「はい」をクリックして先に進むことができます。 逆に「dviout」がうまく動かない場合は、間違った場所の「gswin32c.exe」が選ばれている可能性があります。
「間違った設定をしてしまった!という場合は(ゴメンナサイ)、とにかく「dviout」を起動して、プルダウンメニューから「Option」>「Install」を選びます。


「dviout」を起動して、プルダウンメニューを操作


最初にこの画面が出てくるので「Next」を押す

上の画面で「Next」をクリックすると、図2-4-10(35ページ)のウィンドウがもう一度出てきます。 さらに、もう一度「Next」で図2-4-11が出てきます。出てこない場合、「Back」「Next」を押して探してみてください。こうして、設定を直すことができます。なお、具体的な設定例をこの後に示しましたのでご参考になれば幸いです。


補足:dvioutの再設定について(第2章pp.34-35, pp45-46)

各ツールのインストール場所を本書と同じ(環境変数PAHTで表現するとC:\w32tex\bin;C:\gs\gs8.54\bin;C:\dviout)にしている場合、図2-4-10及び図2-4-14での設定は以下のようになるはずです。確認してみてください。どうしてもこのようにならない場合は、直接設定欄に書き込んで見るのもテです。

設定ウィンドウ具体的な設定値

本書図2-4-10
TEXROOTの値
c:\w32tex\share\texmf\fonts

TEXPKの値
^r\tfm\\^s^tfm;^r\pk\\^s.^dpk;^r\vf\\^s.vf;^r\ovf\\^s.ovf;^r\tfm\\^s.tfm


本書図2-4-14
genの値
c:\w32tex\bin\mktexpk.exe --dpi ^d --bdpi ^D --mag ^M ^s

gsxの値
c:\gs\gs8.54\bin\gswin32c.exe


応用:MiKTeXで自分の好きなフォントを使う

MiKTeXの「CJKパッケージ」は、そのままでは使えるフォントが限られています。本書で用いたのは、「wadalab」フォントという、Linuxなどでよく使われているオープンソースのフォントですが、そのまま使えるように組み込まれているのはそのうちの「明朝」だけです。
記号や用法に特別な意味を持つ英数字フォントと違って、日本語のフォントの良し悪しで論文の良し悪しが決められることはまずないだろうと思いますが、ゴシックくらいは使えるようにしたいのが人情です。 実は、LaTeXでは「ttf」の拡張子がつくTrueTypeフォントのデータファイルから、「tfm」の拡張子がつく一連のフォントデータファイルを作成し、文書表示に用いることができます。 「フォント」の詳細については著者はあいにくわかりませんので、説明は御容赦を。ここでは、とにかく「そこのそのLaTeX文書で使えるようにする」方法についてご紹介します。
  1. 参考文献

    この説明は、以下のJan Polandさんによる文書を大いに参考にしています。
    Japanese Fonts and (CJK-)LaTeX
    ただし、ここに筆者が記す内容についてのあらゆるお問い合わせは、筆者宛て(noniko@netbeans.jp)にお願いします。

  2. 使ってよいフォント

    「TrueTypeフォント」にも、いろいろな使用制限があります。Windowsで用いるフォント「MSゴシック」「MS明朝」もTrueTypeフォントですが、これらには厳しい使用制限があり、手っ取り早く言えば一切いじってはいけません。
    ここでは、「IPAフォント」を使ってみましょう。「IPA」とは、「独立行政法人 情報処理推進機構」のことで、ここで提供されているフォントです。無償で、なんらかの修正を施して使用することにも特に問題はありませんが、再配布にはいろいろの制限があります。
    詳細はみなさんの必要に応じて調査していただくとして、ここでは「自分で入手及び加工して、学習目的で使う」場合に限定して利用法を紹介したいと思います。

  3. IPAフォントの入手

    IPAフォントの入手は、IPAの支援の下にフォントを公開している「オープンプリンティングプロジェクト」から可能です。

    オープンプリンティングプロジェクトのトップページ: http://lx1.avasys.jp/OpenPrintingProject/index.html
    IPAフォントのダウンロードページ:http://lx1.avasys.jp/OpenPrintingProject/index.html#font

    入手するのは、「openprinting-jp-0.1.3.tar.gz」というファイルです。Windowsで「tar.gz」形式のファイルを展開できる適切なソフトウェアを利用して展開してください。
    「openprinting-jp-0.1.3」というフォルダができたら、その中の「ipafont」フォルダを開けます。そこにいくつかの「.ttf」ファイルがありますね。


    IPAフォントのファイル

    そのうち、「IPA明朝」にあたる「ipam.ttf」と「ipag.ttf」を利用してみましょう。二つのファイルを適当な作業用ディレクトリにコピーします。

  4. ttfからtfmへ

    上記の作業用ディレクトリで、「コマンドプロンプト」ウィンドウから以下のコマンドを打ちます。

    ttf2tfm ipam.ttf ipam@UJIS@ (IPA明朝の場合)
    ttf2tfm ipam.ttf ipag@UJIS@ (IPAゴシックの場合)

    「ttf2tfm」は「MiKTeX」の中に用意されているツールです。「MiKTeX」をデフォルトの設定でインストールしてあれば、「ttf2tfm」といきなり打ってもわかってもらえます。 「ipam@UJIS@」は、「ipamナントカ.tfm」というファイル群を作成するための指定で、「UJIS」は本書で行っているとおり「MiKTeX」で使うLaTeX文書を「EUC」で作成している場合に指定します。「EUC」と言ったり「JIS」と言ったり「UJIS」と言ったり紛らわしいな、と思うかも知れませんが、そこはいろいろなツールをいろいろな人が作っているためしょうがないところがあります。まあ我慢しましょう。
    このコマンドを打つと、なにやら多大な処理がなされます。


    いきなり画面が流れ出してビックリする

    最終的に落ち着いた

    処理が終わると、「ipam(ipag)01.tfm」から「ipam(ipag)31.tfm」までのファイルがそれぞれできます。


    「ipamナントカ.tfm」のファイルがたくさんできた

  5. フォントファイルの置き場所

    生成したファイルは、MiKTeXの中に配置する必要がありますが、もしファイル操作の過程でうっかり他の大事なファイルを損傷してしまったらイヤですね。
    UNIX育ちのLaTeXでは、そこはちゃんと「ユーザデータの置き場所」を用意してくれています。MiKTeXでも、それを大変わかりやすい形で利用することができます。
    ユーザデータの置き場所を知るには、「MiKTeX」の「Settings」を用います。起動メニューから「すべてのプログラム」>「MiKTeX2.5」>「Settings」を選びます。


    これはVistaの場合

    「MiKTeX Options」というウィンドウが出てきますので、「Roots」タブをクリックします。
    [Path」「Description」などの項目がリスト表示されますね。その中の「Description」の欄が「Userdata」となっているところを見てください。


    これはXPの場合

    XPならば \Documents and Settings\ユーザ名\Local Settings\Application Data\MiKTeX\2.5
    Vistaならば \Users\ユーザ名\AppData\Local\MiKTeX\2.5

  6. がその場所とわかります(これらの場所は「隠しフォルダ」の中にあるので、「フォルダオプション」で「すべてのファイルとフォルダを表示する」設定にしてください)


    「Application Data」フォルダ内に「MiKTeX」フォルダができていた

    この「ユーザデータの置き場所」の使い方で大事なのは、「本体MiKTeXと同じフォルダ構造にする」ことです。
    「本体MiKTeX」の中で「tfmファイル」は、「MiKTeX2.5\fonts\tfm」フォルダ内に、さらにフォントの種類ごとにフォルダにまとめられて置かれています。
    そこで、われわれのtfmファイル群も、こんな風なフォルダ構造を作って、配置します。

    ユーザーデータの置き場所\font\tfm\IPA

    この「IPA」フォルダ中に、作成したtfmファイルを全部置きます。

    一方、もとの「ttf」ファイル、ipam.ttfとipag.ttfも必要です。これは

    ユーザーデータの置き場所\font\truetype\IPA

    というフォルダを作って、その下に置きます。

  7. フォント定義ファイルを作成

    以下のような内容の「C40ipam.fd」ファイルを作成します。

    \DeclareFontFamily{C40}{ipam}{\hyphenchar \font\m@ne}
    \DeclareFontShape{C40}{ipam}{m}{n}{<-> CJK * ipam}{}
    \DeclareFontShape{C40}{ipam}{bx}{n}{<-> CJKb * ipam}{\CJKbold}
    

    「ギャ。なにこれ」と思いましたか?筆者も最初そう思いました。でも大丈夫、お手本があります。本体MiKTeXの以下の階層に行ってみてください。

    \MiKTeX2.5\tex\latex\CJK\JIS

    そこに、いろいろな「.fd」という拡張子のファイルがありますね。それがフォント定義ファイルです。
    「c40song.fd」というファイルがありますね。「C40」は「EUC-JP」の文字コードを使う場合に指定する記号と考えておいてください。
    このファイルを開けると、他の表記に混じって「DeclareFontFamily」及び「DeclareFontShape」の記述があります。そこで、その3行をそっくりいただいて、「song」及び「jsso12」を「ipam」に直してしまえばよいのです。

    同様に「C40ipag.fd」を作成します。 これらのファイルは、やはりユーザーデータのおき場所に、そっくりそのままの階層

    \ユーザデータの置き場所\tex\latex\CJK\JIS

    を作って配置します。

  8. フォントマッピングファイルを作成

    作業はまだあります。ttfonts.mapファイルの作成です。

    まあ、これは本体MiKTeXの中にあるttfonts.mapに追記してもよいのですが、Vistaの場合ユーザフォルダ以外の場所のファイル操作がUNIXなみにうるさく、失礼、セキュリティ重視になってきましたから、やはりユーザデータの置き場所に作ってしまいましょう。
    その本体MiKTeX内の以下の場所から、ttfonts.mapファイルを探し出します。

    \MiKTeX2.5\ttf2tfm\base

    これを、やはりユーザデータ置き場所で同じ階層を作って、その下にコピーします。

    \ユーザデータの置き場所\ttf2tfm\base

    コピーしたほうのttfonts.mapを編集します。もとの記述を消す必要はありません。追記します。

    
    %IPA fonts
    ipam@UJIS@ ipam.ttf
    ipag@UJIS@ ipag.ttf
    

  9. ユーザデータの変更をMiKTeXに知らせる

    最後の仕上げです。ユーザデータにフォルダやファイルを追加したことをMiKTeXに知らせる必要があります。これには、さきほど立ち上げたMiKTeXの「Settings」で、「General」の画面にある「Refresh FNDB」をクリックします。


    「ファイル名データベース」を更新

    これで、「LaTeXが探し出すファイル名」を一斉にスキャンしてくれます。ですから、実はユーザデータのおき場所で作った「本物そっくり階層構造」がちょっとくらいいい加減でも、結構大丈夫なんです。

  10. さあ、フォントを利用してみよう 以下のような「helloipa.tex」を作ってみましょう。

    \documentclass{article}
    \usepackage{CJK}
    \begin{document}
    \begin{CJK*}{JIS}{ipam}
    フォントのところはどうなのよ(寒)
    \end{CJK*}
    \end{document}
    

    本書の例と違って[dnp]オプションが必要なくなりました。自分で作った最も簡単なフォント設定だからと言ってよいでしょう。 これを、MiKTeXですから、「latex」コマンドで変換し、「yap」コマンドで見てみます。


    IPA明朝になった

    {ipam}を{ipag}に変えれば、ゴシックになります。


    IPAゴシックになった

これはMiKTeXに限らず、どんなLaTeX環境でもできることですが、ユーザデータの場所を探したりファイル名データベースを更新したりするには、GUIな「Setting」ツールのあるMiKTeXがさすがに強い、という感じですネ。